臨床工学室
臨床工学技士とは
臨床工学技士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、「医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者」です。生命維持管理装置とは、人の呼吸、循環、代謝などの生命維持に直接関わる機能を代行したり、補助したりする特別な装置で血液浄化装置や人工呼吸器等があります。医療機器の進歩に伴い、医学と工学の両方の知識を併せ持つ臨床工学技士が医療の重要な一翼を担っています。
主な業務内容
当院の臨床工学技士は4名勤務しており、主な業務は、「血液浄化業務」、「手術室業務」、「呼吸療法業務」、「医療機器保守管理業務」、「高気圧酸素治療業務」があります。
血液浄化業務
平成22年5月に人工透析室が移設、増築され、31床のベッドが稼動しています。その内1床が隔離室(感染患者様用)になっています。慢性腎不全患者への血液透析を中心に、急性期疾患患者への持続緩徐式血液透析濾過、血漿交換、成分吸着等の治療を行っています。また、これらの装置が安全に使用できるように保守管理しています。
【透析液の清浄化】
透析液を清浄化することで長期透析患者様の合併症予防につながります。当院ではISOガイドラインに従い月1回、透析液のエンドトキシン測定や細菌培養検査を実施し、安全な透析液を供給できるよう管理しています。
手術室業務
術前、術後に麻酔器点検を実施しています。鏡視下手術システム及び顕微鏡の調整及び動作確認等、各科手術用医療機器操作、保守管理及びトラブル時の対応を行っています。
2021年3月より外科医指導のもと、内視鏡下外科手術時のスコピスト(カメラ持ち)業務を開始しました。
呼吸療法業務
人工呼吸器を装着した患者様の病棟へ巡回し、機器の動作、設定確認や回路交換及び呼吸器セッティング時の立会いやトラブル時の対応を行い、安全に使用できるよう努めています。
医療機器保守管理業務
医療機器管理システムを使用して、医療機器の貸出・返却業務、点検・修理業務等の入力を行っています。主な医療機器には人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ等があり、医療機器を効率よく運用できるよう中央管理しています。
高気圧酸素治療業務
高気圧酸素治療とは、大気よりも高い気圧環境の中で高濃度の酸素を吸うことによって、血液中に多くの酸素を溶解させ、低酸素症状を改善しようとするものです。主に減圧症、一酸化炭素中毒、腸閉塞、突発性難聴、網膜動脈閉塞症などの治療を行っています。治療装置には第1種(1人用)と第2種(多人数用)2つの型があります。当院では第2種装置を使用し、治療にあたっています。臨床工学技士はこの装置の操作、保守管理を行っています。